2005年03月27日

天使と悪魔

イースター4連休の3日目.本を読んですごす.

ダ・ヴィンチ・コードにつられてこちらも購入.読み始めてすぐ,マッハ15で飛ぶ飛行機が出てきていやになったが,その後は面白かった.サイエンスフィクションとして作るにしては世界観が不足しているので,ダ・ヴィンチ・コードのように美術と宗教に集中して世界を作ったほうが良かったと思う.ローマの街を実際に訪れていると,この物語に対してより没入できるだろう.実際に,もうローマを一度訪れて,道しるべの存在を確認してみたくなった.これを読んで,思わず1ドル紙幣を探してきてしげしげと眺めた人も多いだろう.私もその一人だ.おすすめ度: まあまあ.

ついでに,ダ・ヴィンチ・コードも.

このあまりに有名なフィクションは,どこまで本当?どこからフィクション?と解説書にまで手を出したくなるほど良く練られていて,物語としても面白いし,薀蓄に満ちている.気になる情報が満載で,これを手に,パリ,ミラノ,そしてイギリス,旅行に出かけて実際に見てみたくなってしまう.関係ないけど,前作天使と悪魔のヴィットリアとの関係は,どうなっちゃったの?おすすめ.

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2005年03月26日

死のクレバス

死のクレバス―アンデス氷壁の遭難
J. シンプソン / ¥1050

二人の登山家がもろい雪山に苦労しながら登頂,そしてベースキャンプに帰還する途中,滑落,そして片足を骨折.この時点での足の骨折の意味を十分理解している二人の間に沈黙が流れる.置き去りにされても文句は言えない.葛藤.しかし,パートナーのサイモンの協力で必死の脱出行を試みる.更なる滑落,そして,最終的にサイモンがザイル切断を決意.ザイル切断は,究極の決断だ.たとえその判断が正しかったとしても,切断したものは一生そのことに苦悶し続けるのだ.死の淵にある筆者と,サイモンが交互に自らの心情を素直につづっていく.片足で這いながら必死で帰還を目指す筆者.ベースキャンプに帰り着き,筆者の遺品を燃やすサイモン.全体を通して,お互いに交わす言葉は少ないが,尊敬し信頼しあっていることが良くわかる.プロの作家による美談仕立てではなく,当事者に寄る迫真の描写がすばらしい.(2005/03).おすすめ

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