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2005年04月23日

ジョギングのスイッチ

DSC02631window.JPG

妻もblogに書いていたが,イギリスが突然春になった.僕にとっての春と春でないところの境目は,自宅の窓の目の前に立っている木が新芽を出すこと.それまで葉っぱひとつなかった木のひとつが芽をだすと,「おれもおれも」という感じでいっせいに芽が出て,一気に庭の雰囲気が変わるのだ.するとその新芽を目当てにしたリスが木の間を行ったりきたりしてにぎやかになる.

朝6時半におきてジョギングに出かける.ソニー製の小さいラジオで Jazz FM をききながら家の敷地を出るとすぐに,イギリス生活ですっかり重くなってしまった体が悲鳴をあげる.すぐに息が上がり,足が痛くなる.

何日か走っているうち,突然スイッチが入る.とても不思議なのだが,このスイッチが入ると,いくらでも走っていられるようになるのだ.体がジョギングという負荷に適応して,有酸素運動としてのジョギングを持続的に続けられるようになる.が,そんな理屈はどうでも良く,こうなると,走るのが楽しくなる,イギリスの"Public Footpath"と呼ばれる散歩道の奥へ奥へとずんずん走っていくのだ.

投稿者 yuichiro_nakamura : 09:46 | トラックバック

2005年04月18日

SHURE E2c

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iPOD に続いて,ヘッドフォン.日本に出張に行ったときに,Sound House から SHURE E2c を購入.

購入に当たっては,ヘッドホンナビで検討.飛行機などでノイズをある程度低減してくれ,そこそこ音も良いもの,という基準で選んだ.BOSE の QuietConfort2 も最後まで残ったが,あまりに値段が高いのと,毎週のように飛行機に乗っているわけではないので,大きさが大げさすぎる,ということで却下.その意味で,アクティブにノイズキャンセルするのではなく,カナル型のヘッドフォンで「耳栓」効果を得つつ,音の定位の良いもの,ということで SHURE E2cにした.

e1c.jpgE1c

SHURE は E1c のような普通の人は買わない超硬派のヘッドフォンや,E5c のような5万円超の高級機種まで出している.E2cはそのエントリーモデルだ.

耳栓式ヘッドフォンは初めてだったので,少し戸惑う.このヘッドフォンは,首の後ろからまわして耳に引っ掛けるような感じで配線し,ぐりぐりと耳に詰め込む.このときの密閉度がとても重要で,各人の耳にフィットするよう,着脱式のアジャスターが6種類用意されている.配線は太く,取り回しは悪い.

付けてみると,耳栓効果が割りとあり,これで音楽を聴いているときに話しかけられても気がつかない程度だ.音のドンシャリはなく,素直な音だ.定位も悪くない.配線の太さはすぐ気にならなくなった.そこそこの満足だ.


ヘッドホンナビ
http://www.h-navi.net/
Sound House http://www.soundhouse.co.jp/
SHURE http://www.shure.com/

投稿者 yuichiro_nakamura : 19:35 | トラックバック

2005年04月17日

ご飯と味噌汁と中国

DSC02622misoshiru.JPG

日本で朝ごはんがご飯と味噌汁であっても,ごく普通のことだが,イギリスにいてそれをやっていると,自分が日本人であることを感じさせられる.ふさわしくない場所に,ふさわしくないものがある.わりとふとしたところに自分のアイデンティティを見出す.BBCで朝のニュースを見ると,ヘッドラインで中国でのデモ行進の話をやっている.イギリスから帰任した後,赴任があるとすれば中国だと思っているので,あまり他人事ではない.

会社の人と話しているとき,「イギリスとヨーロッパ大陸の関係.これは日本と大陸との関係と類似点がある.」という話をする人がいた.これはわりと納得のできる議論で,イギリスと大陸は,協調しているように見えながら,一線をおいている.アジアでは,お祖父さん,もしくは曾お祖父さんの世代は互いに戦争をしてきてきた.それはイギリスとフランス,イギリスとドイツも同じだ.その憎しみを超えてEUは今協力関係にある.

日本はもうすでに,日本独自でアジア経済のけん引役と呼べる状態ではなくなっている.サムソンが1兆円の利益をだし,中国の聯想(レノボ)がIBMのPC部門を買収したとき,それを実感した人も多いだろう.対等な協力関係を模索する必要があるのだ.2008年に北京でオリンピックが行われ,中国へのODAもいずれ終わる.

最終的な目標は,EUに対するASIAという経済圏だろう.次の首相はそのためのリーダーシップを発揮できる人材が求められる.イギリスのブレア首相のように他国に対してもカリスマのある人でないとだめだろう.英語が話せない政治家ではだめだ.

そんなことを考えながらご飯を食べ,しじみの味噌汁をすする.アジア通貨を作るとしたら,ASI(アジ)かなぁ,と思い至ったところで,ご飯を食べ終わった.

投稿者 yuichiro_nakamura : 09:30 | トラックバック

2005年04月16日

RSS ジェネレータ

いまさら「RSSってなに?」などととぼけてはいられないので,旅行記のページ用のRSS生成スクリプトをperlで書いた.Jcode.pm, HTTP::Header, HTML::HeadParser が必要.RSS 1.0, RSS 2.0 を生成します.

perl -MCPAN -e shell

install Jcode
install HTTP::Header
install HTML::HeadParser

して下さい.

Perl 実行ファイル generate_rss.zip

<title>...</title> を Title に,
<meta name="keywords" content="..."> を Category に,
<meta name="description" content="..."> を Description に使います.
Category がない場合は$DEFAULT_CATEGORYが,Desctiptionがない場合はTitleが使われます.

使い方は,

1. generate_rss.pl の前の方にある,変数群を編集
2. ./generate_rss.pl -c を実行して,設定ファイルを生成
3. generate_rss.txt を編集.不要な行をコメントアウトしたり(先頭に#を付ける),
  タイトルやカテゴリーを変更.書式は,ファイル名[TAB]タイトル[TAB]カテゴリ
4. ./generate_rss.pl -r を実行して,index.rdf, index.xmlを生成.

設定ファイルを一旦生成するのは,すべてのhtmlが必ずしも必要がなかったり,title タグが長すぎたりするためだ.

設定ファイルの例 generate_rss.txt

Firefox のライブブックマーク程度なら問題ない.しかし,RSSリーダではどうだろうか.

Firefox 用の RSS プラグイン Sage 1.3.1 と,フリーの中で一番有力と思われるRSSリーダ Glucose でテスト.Description の記述が課題だが,とりあえず目的は達成.

Glucose http://glucose.jp/
Sage for FireFox http://sage.mozdev.org/

投稿者 yuichiro_nakamura : 18:01 | トラックバック

2005年04月14日

敵の敵は味方

イギリスは連合王国である.会社にいるウェールズ人は,"English"といわれると猛然と言い返す.

"Englishじゃない.Welshだ."

初めのころは半分冗談で言っているのだろうと思っていたのだが,それは間違い.彼/彼女らはとても本気だ.ユニオンジャックは,北部アイルランド,スコットランド,そしてイングランドの旗が合わさってできている.ウェールズの旗は赤いドラゴンの旗なのだが,それはユニオンジャックには入っていない.イングランドにとって,ウェールズはすでにイングランドの一部とみなされていたからだ.イングランド人にとって,ウェールズ人という意識は低いが,ウェールズ人にとっては,イングランド人は別の国の人,むしろ「敵」という意識だ.ラグビーで Six Nations というイングランド,ウェールズ,スコットランド,アイルランド,フランス,イタリアが戦う大会があるのだが,England vs Wales の熱狂ぶりといったらすさまじい.

ウェールズ人が,

"イングランド人がウェールズに来るときは,入場料がかかる"

という話をしていた.これは,イングランドからウェールズに行くときは,M4という高速で Severn Bridge を越える.とても明確な境目だ.この橋は有料で,イングランド→ウェールズは4ポンドと少し取られるが,ウェールズ→イングランドでは料金所がないからだ.

イギリスのちっぽけな島でさえこの状況なのだ.EUという共同体がどうしてまとまっていられるのか,不思議でならない.

製造業にとって,アメリカという国は商売しやすい.ひとつ商品を作ったら,アメリカ中のどこでも大体売れる.カナダでも売れる.しかし,ヨーロッパではこうは行かない.ヨーロッパで売られている製品の裏を見るとその苦労がすぐわかる.同じ内容が,10以上の言語で繰り返しかかれている.言語が違い,文化も違う.

イギリス人が,「アメリカは敵だ」という話をしているのをきいて,ふとわかった.EUがまとまっている理由.そうか,敵の敵は味方であったか.


Six Nations http://www.6nations.net/

投稿者 yuichiro_nakamura : 22:29 | コメント (1) | トラックバック

2005年04月11日

ラトビアってどこ?

週末旅行でリーガに行ってきました.リーガはラトビアの首都.1991年に独立するまで,ロシアとドイツに交互に占領された歴史を持つ街.大量のシベリア送りを出したロシアの支配に疲れきった姿と,独立後の自由を楽しむ雰囲気が交互に見え隠れする.

DSC02490.jpg

バスの料金は Ls 0.15 (30円)程度.パンの料金にいたっては,Ls 0.02 (4円)とか,菓子パンでも Ls 0.08 (16円)と異常に安い.その一方で,街中にあるデパートに入ると,服などは特に安く感じない.日本やイギリスと同じ程度だ.ロシア時代の価格と,今のヨーロッパの価格とが混ざっているのだ.中央市場に行くと,サーモンの切り身が Ls 5/kg (1000円)程度で売っていた.このリーガの中央市場は,市民の台所.昼にもなると,とても歩いていられないほどに混雑する.なぜか市場で働いているのはみな女性であった.

DSC02478.jpg

リーガの旧市街は世界遺産に指定されている.この一角は石畳で舗装され,車の入場も制限されている.教会が並ぶ観光客エリアだ.酔っ払ったイギリス人が騒いでいる.頭にスカーフを巻いたおばさんが物乞いをする.

リーガは海が近いので,魚類も豊富.「リーガ一おいしい」レストラン,Vincent に行ってみた.ここではスーツを着たサラリーマン風の人がビジネスランチを食べていた.3コースランチが Ls 8.50 (1700円).前菜がソフトシェルクラブ.メインがダックのロースト.割とおいしかった.このあたりはかつてリーガが裕福であったころ,アールヌーボー様式の建物がたくさん作られたところで,通りを歩くとそれを見ることができる.大使館が並ぶエリアだ.

旧市街では,ラトビア料理のレストラン Livonija に入った.地下の酒蔵のようなところに作られた雰囲気のあるレストラン.前菜で食べた豆料理が,素朴で,この街を代表しているようで,しみじみとおいしかった.

DSC02474.jpg

Vincents http://www.vincents.lv/
Address: 19 Elizabetes, Riga LV-1010, Latvia
Phone: 371 733-2634

Livonija
Address: 21 Meistaru, Riga
Phone: 371 722-8093

投稿者 yuichiro_nakamura : 23:26 | トラックバック

2005年04月09日

チャールズ皇太子の再婚

今日は,チャールズ皇太子の結婚式.本当は4/8 金に結婚する予定だったのだが,法王の葬儀に参加するため,一日伸ばして4/9 土になった.もともと金曜日のうちにスコットランド旅行にすぐ出かける予定だったので,とことんついていない.しかし,昨日は4月だというのに雪まで降っていたが,今日は晴れ渡っているので,ラッキーだったというべきか.

少し前に,「あなたは,チャールズ皇太子の結婚式を休日にすべきだと思いますか?」というアンケートがファックスされていた.会社でその話をイギリス人にしたら,「まだみんな故ダイアナ妃が好きだからね.なんでいまさら彼が結婚したいのか理解に苦しむ」とのコメント.いまでもダイアナの生家,オルソープにはたくさんの人が訪れる.

DSC01578althorp.jpgダイアナの生家・オルソープ


BBC を見ていると,それでもウィンザーにはたくさんの観客が来ているようだ.女王陛下が結婚式に参加しない,と発言したことも,マスコミをにぎわせていた.
そんななか決行されるこの結婚式.イギリスの結婚は,簡単ではない.まず結婚することを公示.それを見て,異議がある人は,事務所に申し出る.今回の結婚式,たくさんの異議が届いている.すると,事務所の人は,その異議の正当性を一つ一つ確認しないといけないのだ.

投稿者 yuichiro_nakamura : 09:47 | トラックバック

2005年04月03日

すしひろ

DSC02451sushihiro.JPG

ふとすしが食べたくなり,すしひろへ.Ealing Commonの駅のすぐ近くにあり,安くてうまい握りの店.いつも混んでいるので,予約しても1時間半で追い出されるが,その分コストパフォーマンスが良い.ここのマグロやトロは切り口もピシッとしてうまいし,アジやタイ,スズキなども味がしっかりしている.

Sushihiro
1 Station Parade, Ealing, W5 3LD
Tel: 020 8896 3175

投稿者 yuichiro_nakamura : 20:11 | トラックバック

2005年04月02日

横書き

日本から送られてきたDVDで,ガイアの夜明けを見ていたら,ジェネレーションYは横書きのほうが読みやすいのだという.携帯や,パソコン環境に慣れていて,文字を読むことに抵抗がない.横書きで書いてある Deep Love のような小説の方が抵抗がない.

電車男
が本になったときも,こんな本が許されるのか,などと批判されたが,2chに慣れている人からすれば,ごく自然なことかもしれない.

かつて Tokyo Walker は,横書きで作られていたが,これを縦書きに変えたことで売れるようになった,という記事を読んだことがある.これは,もともとターゲットにしていた世代が,横書きに完全に対応できていないジェネレーションXであったからか?

旅行に行くときには,暇つぶし用に本を持っていく.インドで二等の電車のボックスシートに座って本を読んでいたら,横のインド人が話しかけてきた.

「その本はいったい何?」
「普通の本だよ.ガンジス川について書いてある」と笑って答える.

彼女は文字が縦に並んでいるのをはじめて見て,とてもショックを受けていた.しかもその少し前に,私は横書きで日記をつけていたから,より納得がいかなかったのだろう.

ケニヤに行ったとき,一緒になったイスラエル人が日記をつけていた.横書きなのだが,右から左へ筆を進める.冗談で,

「書く方向を間違っているよ」というと,
「俺たちは4000年前からこうやっているんだ」

とまじめな顔で答えた.

    


おまけ

大体の区切りで言うと,

Baby Boomers: 1940-1960生まれ
Generation X: 1960-1980生まれ
Generation Y: 1980-2000生まれ

となる.

投稿者 yuichiro_nakamura : 10:35 | トラックバック